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『山医者の毒にもクスリにもならない話』
文/見川鯛山
絵/米倉万美
ドリーム舎

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ひさしぶりに読んだ絵本。
友人に、面白いよ、って言われて、借りて読んでみた。

見川鯛山が書いた短編小説?随筆?に、娘でイラストレーターの米倉万美が絵をつけて絵本として出版したもの。

二人とも始めて知った人だが、もっと知りたいと思った。

文章は、人間味にあふれていて素敵。
ひとに対する愛が伝わってくる。
ほわっと、あったかい気持ちになる文章。

絵も、文章の雰囲気に合っていてやわらかくて温かい。
文章と絵がすごくしっくり合っていて、違和感がない。
親子だから、同じ生活を過ごしてきたから、なのか。


絵本って子どもが読むもためのものかもしれないけど、大人が読まないのはもったいないと思う。
成長してから、小さいころ読んだ絵本を読んでみると、また違った感情が持てておもしろい。
佐野洋子の『100万回生きたねこ』は、何度でも読みたい本。
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『佐藤可士和の超整理術』
佐藤可士和著
日本経済新聞出版社

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父に、「これ貸したげる」っていわれて渡された。
だから読んでみた。

正直、ハウツー本は好きじゃない。
佐藤可士和も、あんまり好きじゃない。


でもこの本は、読みやすかったと思う。

内容は、まあ、そうだよね、っていうような内容が多かったように思うけど、いままで意識して気づこうとしていなかったことを気づかせてくれた、ようなところも、ある。

「超整理術」というのは、ものの片付けという意味の整理だけでなく、問題解決や新しい発想にも応用できる、整理術のことだった。
ものを整理するのと同じように、情報を整理し、思考を整理したら、プレゼンの伝わりやすいやり方に気づいたり、新しい着想を得たりする助けになる、というようなこと。

SFC(※)的な考え方だな、と思った。
思考を文章化し、情報を整理し、問題解決にあたる。
※SFC:慶應湘南藤沢キャンパス。私の通っているキャンパスで、総合政策学部、環境情報学部のふたつの学部が、文系理系問わず融合して、問題発見・問題解決を重視した学問を追及している。

佐藤可士和のデザインがシンプルな理由が、わかった気がした。
そして私は、それを味気ないと思って、あまり好きになれないのだ。


普段自分の行っている思考の手順を文章にするのは難しいだろうな、と思った。


読みやすい文章ではあったが、やけに多様されているカタカナ語には、どうも反感を覚えた。
日本語で言えば、もっと短く伝わりやすくなるのに、と。
あとは、そりゃ、お金があれば、そういうこともできるよね、ということも多かった。
アイテムもそろえられるし、持ち物を少なくして、困れば購入することもできる。
結局大事なのはお金かしら、とも思った。


ただ、部屋を片付けよう、という気には、なった。
『陰日向に咲く』
原作:劇団ひとり「陰日向に咲く」
監督:平川雄一郎

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親が観るって言うから、一緒に行ってみた。


原作のほうが面白いんだろうなぁ、と思った。
泣き所はあるんだけど、それは、原作が良かったり、演技が良かったりした部分だと思った。

始めはあちこちでばらばらにストーリーが進んで、それが途中からひとつに繋がる。
ばらばらな部分が長かったなあ。
つながり始めてからはそれなりによかったけど、でも、ひとつ、繋がらない箇所があって、気になって仕方がなかった。


映画化する必要があったものなのかなあと疑問に思った。
原作読んでないからなんとも言えないんだけど。
ただ原作と同じようにストーリーを追っているもたいだった。映像にして。
それでは、本のすべては表せないだろうな。
映画で繋がらなかった部分、原作ではちゃんと繋がってるのかな。
とにかくまず、原作を読みたいと思った。


岡田くんと、西田敏行の演技は素晴らしかった。
あれがなければ意味がないやな、たぶん。

原作を読んでから、また考えようと思う。
私は原作のある映画は原作を読んでから観るのが好き。
映画化、は、後付け、だと思ってるから。
原作ありき。
原作読んだら映画についても、また書きます。
『アルケミスト』
パウロ・コエーリョ著
山川紘矢・山川亜希子訳
角川文庫

--

友人がすごく推していたから借りて読んだ。

借りてきた、翌日に読了。
寝不足だったがおもしろくて電車の中も寝られなかった。


羊飼いの少年が夢や運命を追って旅する物語。


すごい良かった。
あとがき等によると、夢を追うことを思い出させてくれる本、という感じらしいが、私の持った感想はそうではなかった。

神様の話、宗教の話、愛の話、だった。

私は中高6年間キリスト教教育を受けてきたが、どうも「神」や「愛」といったものが苦手だった。
受け入れようとしなかった。
だが、6年間かけても開かなかった心を、200ページ弱のこの本が開けてくれた。

押し付けがましくない、だれの心の中にもいるような神が、ここには描かれている。
宗教なんか関係なく、信じればそこにいる、そこにある、人間が作り出した、人間を創った神。
─信じる者は救われる
こういった言葉が、嘘っぱちでなく、リアルさを持って伝わってくる。
著者はこの本を、どういうつもりで書いたのかは知らない。
「神」を伝えたかったのか。夢を思い出させたかったのか。
何にしても、自分の信じる「神」を相手に押し付けるようなことは、まったくしていないように感じた。
だからこそ、入ってきたんだと思う。

聖書の授業で、この本を使えばいいのに、と思った。
そうすれば、宗教というものへのかたくなな身構えが、少しは軽減されるんじゃないだろうかと思った。



個人的に一番心に刺さったのは次のセリフ。
「私たちは愛する時、もっと良くなろうと必ず努力するからです」
これは、当たり前のことかもしれない。
だけど私はつい最近わかったところで、ちょうどぴったりなタイミングでこれが来たんだ。
すごく美しい。
少年と少女の恋は、愛は、ものすごく美しかった。
離れていて、また会えるなんて保障は何もなく、生きているかどうかすらわからないけど夫を思って待つ、風にキスを送る、そんな少女が、美しくて仕方がない。


涙を流すような本ではないが、心には大きな何かを残してくれるような本だった。
勧めてくれた、貸してくれた友人に感謝。
これは、自分で買って手元に置いておきたい、時々読み返して思い出したい、本。


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