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 『白仏』
辻仁成著
文春文庫

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著者の祖父をモデルとして、事実に即しながら書かれた小説。

死とは何か、人間は、いずれ死ぬのにどうして行きなければならないのか、それを、正面から書いている作品だとおもう。
前回書いた『サヨナライツカ』は、愛について書いていたけれど、こちらは死について、生について。
どちらも、逃げることも横道にそれることもせずに、真正面から書かれている、と思った。
そういう作品に、あんまり出会ったことないな。


時代や土地の背景が詳細に描かれているから、リアルさがある。

そこには、古臭さというか、年季というか、そういうものがあって、いまどきではない。
よくあるような、現代の闇だとか少年たちが抱えるなんちゃらだとか退廃的なセックスだとかそういうものを扱った話じゃない。
それが、温かみを出し、ずっと昔から変わらずに抱かれ続けてきたであろう本質的な疑問を鮮やかにし、時間軸の推移をなだらかにしてる。


生きることは、簡単なことじゃない。その意味を見つけることだって、簡単にできるわけない。自殺というのはラクな選択。それでも生に執着しなければならない。それは人間だから。死ぬまで生きてこそ、そうやって必死に生きようとしてこそ、生きるとか死ぬとかそういうことを語れるのかもしれない、とおもった。


もう少し成長したらまた読もう。
つぎは『太陽待ち』を読みたくなった、一度読んだけど。
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